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角田光代 「トリップ」


読書ってブランクがあくとなかなか手が伸びないものですが、本好きの友達に、大概で何か読もうかと思うんだけど何かない?って聞いたら、この本を貸してくれました。
角田光代かー。この人の小説ってけっこう気力が必要じゃないか?と思いつつ、とりあえず読んでみたら不思議。するすると文字が頭に入ってきました。意外。。
角田さんの小説ってもっと、彼女自身が浮かんでくるような強いイメージがあったから。
解説にもあったけど、「前進するイメージがある。ひとり、勘を頼りに、ずんずん進んでいくように見える」 (←うまいなぁ。まさに) という印象を彼女の作品に感じていたので、正直、こんなに幅をもった作家さんだとは思いませんでした。

東京近郊のとある街が舞台です。
その街で暮らす人々の淡々とした日常を切り取った短編ばかりのつながり。
10編が収録されていて、駆け落ちに失敗した女子高生、薬物依存の主婦、ストーカーが日課の男、さえない喫茶店を経営している中年女性、いじめられている少年・・・などなど、互いに深い関わりを持たない人たちが、微妙にリンクしながら進んでいきます。
どの人物もこの街に住んでいること、これからも永遠に続いていく日常に軽く絶望しています。
どこかに行きたいと思いながらも、惰性で日々を送ってる。

どの話も気分が盛り上がるような内容じゃなく、むしろちょっとヘコむような出来事が起きるけど、主人公たちがすでにあきらめの中にいるようで、とてもぼんやりしてるというか。
虚無感、閉塞感・・・そんな空気が全体に漂っていて、その場面の切り取り方がすごくうまいなーと思いました。
毎日を軽くあきらめちゃってる私には(苦笑)とても共感できるものがあったし、その登場人物ひとりひとりが何だか身近に感じましたね。

『ビジョン』 や 『百合と探偵』 のいろいろと抜け落ちてしまった、なんとなく悲しい中年女性の話が妙に好きなんですが。苦笑
とくに 『百合と探偵』 の主人公が冒頭で料理教室帰りの女たちに 「一生だしまき卵失敗してろ」 と内心で毒づくのを見て、この主人公が一瞬で好きになりましたね。笑
角田さんもインタビューとか読むと、けっこう毒づいてますよね。そこが割りと好きだったり。笑
あとは 『秋のひまわり』 や 『カシミール工場』 もよかった。この対極に思える何の接点もない2人をこんなふうに繋げるなんて。。

最初から最後まで短編の並びもすごくいいです。1話目からすっと入っていけて、おもしろかった☆
角田さん、長編より短編の方が好きかもしれない。。


トリップ (光文社文庫)トリップ (光文社文庫)
(2007/02/08)
角田 光代

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