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吉本ばなな 「白河夜船」


『白河夜船』 『夜と夜の旅人』 『ある体験』 の3編が収録されています。
どのお話も身近な人の死があり、それによって停滞してしまっている人たちの、夜にまつわる出来事が綴られています。夜独特の静かで、ちょっと冷たい幻想的な雰囲気。。
読んでいて、夜の閉塞感や喪失感、何か起こりそうなゾワゾワとした感覚が感じられました。

眠りって夢と現実の境にいるようで、よくよく考えれば不思議な状態なんですね・・・
私としては摂らなければならない睡眠よりも、ムダに思える惰眠の方が好きなのですが、でもそれってなんて不健康なことなんだろうと 『白河夜船』 を読んで思いました。

特に疲れるようなこともしていないのに眠くて眠くてたまらない主人公。
特異な仕事によって眠れなくなり、自殺をしてしまった友人。
望む・望まないにかかわらず眠り続けるしかない植物状態の奥さん。

眠れなくなることの恐怖、眠り続けることの恐怖・・・ 
精神・肉体的な苦痛を除けば、私は眠り続けることのほうが怖いなと感じます。
苦痛があればそれが辛いとわかるから。わからないことの方が純粋に怖い。
最後に危うくなった主人公を助ける人物、それがあの人で本当によかったなと思いました。
だから彼女も立ち直ることが出来たのでしょう・・・。

私はこの本の中では 『夜と夜の旅人』 がいちばん良かったです。
兄とその彼女たちのお話なのですが、死んでしまった兄も、輝いていたサラも、毬絵の埋められない寂しさも、それぞれを思う主人公も、やさしく温かく描写されています。

アメリカに兄が行っていた期間に、兄とサラとお腹の子ともう1人の彼が、どうなってそうなったのかという事実は、少しの単語とニュアンスでしか説明されていないけれど、主人公がサラとその家族を見て何もかもを悟れるように、読者にも想像できる範囲の描写で、話の本筋とは違うのですが、そこがいちばん好感が持てました・・・。

ばなな作品では、よく主人公がふとした拍子に悟ってしまうけれど、その悟りがいまいちピンとこなかったんですよね。ただ単に読みが浅いだけなのかもしれませんが。^^;
だから、主人公と同じように状況を察知できたってのが嬉しかったです。笑

どの人物も孤独を抱えているけど、それを大げさに訴えていない。
会話が清廉というか高尚な雰囲気だけれど、それがばなな作品の良さかなと思います。
浮遊していて、不思議な温度。心地よいリズム・・・一言では言い表せないですね。
どのお話も、静かで心許なくて、冷たくて、でも芯はあたたか、そんな印象でした。。


白河夜船 (新潮文庫)白河夜船 (新潮文庫)
(2002/09/30)
吉本 ばなな

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