辻村深月 「冷たい校舎の時は止まる」

2009年01月09日 19:48

初めて辻村さんの小説を読みました。 
調べてみると、ほかの本も上・下巻だったりして、とにかく長いお話を書く人という印象があります。 
でも、居心地のいい小説は長いほど、その世界に長く浸かることができるので好きですね☆

まず、設定がいいなと思いました。
ある大雪の降る日に、いつものように登校してきた高校生8人が学校に閉じ込められます。
止まった時計、開かない扉、学園祭の日に自殺した生徒がいたらしいけれど、その同級生の記憶がみんなそろって消えている。 いったい誰が自殺したのか・・・

物語は、彼らの登校風景から始まります。 
校舎に閉じ込められた彼らは、もちろん脱出を試みますがそれはムダに終わり、この状況の打開策を模索しながらの、しばしの奇妙な共同生活(?)が始まるんです。 
けれど、それも長くは続かず・・・といったミステリー小説。

登場人物のキャラクターがそれぞれにたっているので、おもしろく読めました。
ありえない設定ではありますが、交わされる会話やしぐさなんかはリアルに感じましたねー。
途中、ヒロインでもある深月(著者と同じ名前・・・)の気弱さや脆さに、よくみんな見限らないなーと思わないでもなかったけれど、その深月を守るという名目で、清水が友達を得ていくところはとてもよく分かる。

いちばん自分に近かったのは充でした。
自分は常に脇役だと感じているところや、誰にでも優しいのは何に対しても責任を持ちたくないからで・・・というところはフクザツですけど、共感してしまいます(苦笑)
誰に対しても優しくあるというのは、きっとほかの人が思っているよりも薄情で簡単なことなのかも、と
学生の頃からこれといった特徴もなく、優しい、優しいと言われてきた自分はどうなの?と軽くヘコんでしまいましたね・・・(汗)

私もこういう仲間が欲しかったよ、と思うくらいみんな芯があっていい奴ばかり。
とくに彼らの担任でもある榊。 こういう先生に教わりたっかたよ!
現実にはありえないとわかってても、うらやましい関係だなぁと思わずにはいられませんでした。

所々、描写が長いなと思うところもありましたが、基本的にすらすらと読めますし、続きが気になって手が離せなくなるときもありました。
優しいミステリー・・・というよりもファンタジーに近い感じですね。
漫画やゲームとか好きな人はおもしろく読めるんじゃないかと思います。

そういえばこの作品、『ペルソナ』 というゲームを彷彿とさせるそうです。
私はそのゲームはやったことないのでわかりませんが、確か著者の辻村さんも好きなゲームに 『ペルソナ』 を挙げてましたよ。 なので、『ペルソナ』 好きな方にはとても楽しめる内容なんではないかと。


冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)
(2007/08/11)
辻村 深月

商品詳細を見る


冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)冷たい校舎の時は止まる(下) (講談社文庫)
(2007/08/11)
辻村 深月

商品詳細を見る





コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://libraly.blog86.fc2.com/tb.php/283-edac6fab
    この記事へのトラックバック


    最新記事